復活〜6人の迷える男女たち


十字架刑で死んだイエス・キリストが復活したという噂は本当なのか。

事実を探ろうとしているわけでもない陪審員たちの話し合いが始まった。

made by Reiko N.

 

★登場人物
陪審員1番   男性。会社員、課長。良識派、責任感あり。
   2番   男性。大工。下町育ちの典型的江戸っ子タイプ。
   3番   女性。秘書。真面目で神経質。
   4番   女性。フリーター。ミーハーな現代っ子。
   5番   女性。教師。誠実、正義感あり。

 

   6番   男性。定年退職しボランティア生活。話のわかる人。
◇陪審員室
1    「では、そろそろ始めたいと思いますので、席についてください。全員そろってますか。1,2,3,4,5,わたしで6。はい、6人いますね。
えー、わたしたちは今回、陪審員として、市民の義務を果たすために呼び出されたわけでして、何ですか、呼び出し状1番の者が議長をするのが慣例のようですが、わたしがその1番ですので、よろしいでしょうか。もしほかに立候補する方がいれば・・」
2  「わかったわかった。あんたでいいから、さっさと始めようぜ。」
3  「そうよね、皆さん、それぞれ忙しい中来てるわけだし。」
4  「あたし、今晩デートがあるから、早く終わりたいなあ。」
1  「そうですか。では失礼して、議長をさせていただきます。えー、今回わたしたちが話し合う事件は、『イエス・キリスト復活事件』です。」
 
1  「始める前に一つだけ確認しておきますが、この話し合いは、全員一致で結論を出すことになってます。いくら話し合っても全員一致にならないときは、残念ながらお流れとなります。よろしいですね。」
2  「そんときはそんときだよ。」
5  「でもせっかく集まったんですから、全員一致になるように努力しましょうよ。」
6  「まあまあ、とにかく、始めない事には進みませんから。」
1  「では一応、事件をざっと振りかえってみたいと思うんですが、どなたか簡単にまとめて下さる方、いませんか。」
3  「わたし、メモしてあります。」
2  「おっ、ねえさん、やるねえ。」
3  「一応、秘書をしてますので。」
1  「では3番さん、お願いします。」
2  「しかし何だね、人を番号で呼ぶってのは、どうもしっくりこないね。」
1  「呼び出し状に説明があった通り、ここではお互い見知らぬ者同士、余計な先入観を持たないように、名前ではなく番号で呼ぶことになってますんで、よろしくお願いします。では3番さん、どうぞ。」
3   「はい。訴えによると、イエス・キリストは、自分を神の子だと主張して人々を惑わしたという罪で、十字架に付けられ、墓に葬られました。しかし、3日目に復活したという噂が広まり、それを信じるクリスチャンと呼ばれる人々が現れました。原告は、この噂を嘘だと訴えていますが、被告のクリスチャン側は本当だと主張しています。以上です。」
1  「ありがとうございました。えー、そういうことなんですが。」
2  「採決。こんな話、結論はわかりきってる。早く採決して終わりにしようぜ。」
1  「採決という意見が出ました。まだ何も話し合ってませんが、どうしますか。」
3  「わたしはいいですよ。」
4  「わたしも。」
1  「3番さんと4番さんは賛成ですね。5番さんと6番さんはどうですか。」
5  「皆さんがそうおっしゃるなら。」
6  「わたしも、構いません。」
1  「では、採決しましょう。えー、無記名投票でお願いします。イエス・キリストが復活したのは本当、嘘、どちらかを書いてください。・・はい、いいですか。集めますよ。・・じゃあ開票します。・・嘘。嘘。嘘。嘘。嘘。・・本当。」
4  「ちょっと、本気?」
2  「誰だよ。誰が本当なんて書いた?」
3  「無記名投票ですから、言う必要はありません。」
2  「何だ、あんたかよ。」
3  「わたしじゃありません。」
5  「・・わたしです。」
2  「あのねえ、5番さんよ、死んだ人が生き返るかって。」
5  「・・わかりません。でも、今でもたくさんの人たちが、復活を信じているんです。死んだ人が生き返ったなんて、わたしだって信じられませんけど、『火のないところには煙は立たない』って言うでしょう。絶対嘘っていう確信が持てなくて・・」
2  「あーあ、やってらんないよ。」
5  「わたしも、納得できれば意見を変えますから。」
1  「まあまあ、意見が分かれたんですから、決まりです。話し合いを続けましょう。どなたか、5番さんが納得するような説明がありますか。」
   「う~ん・・」「そうねえ・・」
4  「・・ねえ、ほんとは死んでなかったっていうのは?」
5  「え?」
1  「4番さん、どういうことですか。」
4  「だから、死んだと思ったのは、実はそうじゃなかったのよ。」
3  「でも聖書には、ローマの兵士が、死んだのを確かめたって書いてありますよ。わたし、気になるところはメモしてありますから。」
4  「間違いってことだってあるじゃない。てっきり死んだと思ってたら、3日たってむくっと起きあがったのよ。それで弟子たちの前に現れたら、大騒ぎになったってわけよ。」
2  「そうだそうだ。あんた、見直したよ。イエスは最初から死んでなかった。弟子たちは、復活したって勘違いしたんだ。つまり、復活は嘘。決まりだな。」
6  「・・あの、ちょっと。」
1  「6番さん、何か。」
6  「その、石があったから、それは無理じゃないかな。」
5  「どういうことですか。」
6  「確か、イエスの墓は穴倉になっていて、入り口は重い石でふたがされていたはずだ。」
1  「3番さん、メモしてあります?」
3  「ええ、その通りですね。それと、外にローマの番兵たちが見張りをしていました。」
4  「それがどうしたのよ。」
6  「3日間飲まず食わずの体で、一人で動かせるような石じゃないだろう。仮に石を動かせたとしても、外にいたローマの番兵にすぐに捕まったはずだ。」
5  「お墓が空だったというのは、確かなんですよね。」
1  「3番さん。」
3  「ええ。墓は確かに空でした。」
1  「そうなると、どうやってイエスは外に出たんでしょうね。」
2  「ちょっと待て!」
1  「2番さん。」
2  「何だ、その番兵ってのは。何でイエスの墓の番なんかしてるんだ。」
3  「弟子たちが、死体を盗みに来る恐れがあったからです。イエスが復活するというのは、生前から予告されていましたから。」
2  「だったら話は簡単じゃねえか。弟子たちが死体を盗み出して、復活したって言いふらしたんだよ。」
3  「ええと、・・そうですね。確かに番兵たちもそう証言しています。」
2  「ほらみろ。決まりだよ、決まり。」
5  「じゃあ、弟子たちは嘘をついていると?」
2  「そうだよ。いや、気持ちはわかるよ。自分たちの大事なお師匠さんが、十字架なんかに付けられてみじめに殺されたんだ。何とか名誉挽回してあげたい、そう思ったんだよ。忠義な話じゃねえか。でも、嘘はいけねえよ、嘘は。」
3  「あ、ちょっと待ってください。番兵の証言には、買収の疑いがありますね。」
2  「買収?」
3  「ええ。番兵が祭司長からお金を受け取って、嘘の証言をしたと聖書に書いてあります。」
4  「ねー、さいしちょうって何?」
3  「イエスを十字架に付けるよう告発した、ユダヤ人の宗教的な指導者よ。」
1  「どうして、祭司長がそんなことを。」
5  「もし復活が本当だったら・・祭司長たちは、立場が危ないですよね。神に仕えているはずの自分たちが、本物の神の子イエスを十字架に付けたことになりますから。だから、どうしても復活したとは認められなかった。弟子たちが盗んで行ったことにしたかった。」
3  「あり得ますね。」
2  「異議あり! 単なる推測だ。何の証拠もないだろ。」
5  「わたしは、可能性のことを言ってるんです。」
4  「えー、ちょっと、なに。よくわかんなーい。」
3  「議長、この辺で休憩にしませんか。頭冷やしたほうが。」
1  「そうですね。では、10分間休憩にします。トイレは右の奥、そっちの控え室には飲み物とかありますんで、ご自由にどうぞ。」
 
◇控え室
 
4  「あー、ケーキがある!かわいー!」
3  「あら、ほんと。おいしそうなプチケーキがたくさん。」
1  「サービスなんでしょう。」
4  「はい、議長さんもどうぞ。」
1  「あ、どうも。」
4  「ん~、おいしー!」
5  「そういえばクリスマスって、イエス・キリストが生まれたお祝いですよね。」
3  「そうよ。」
5  「それがこれだけ世界中に広まってるってことは、よっぽど立派な人物だったんでしょうね。」
3  「偉大な宗教家ですもの。イエスはね、真実の愛を説いたの。彼自身はユダヤ地方でしか活動しなかったけど、弟子たちが熱心にその教えを広めたのね。その結果、キリスト教が世界的な宗教になっていったのよ。」
5  「詳しいんですね。」
3  「これでもミッションスクール出身。毎朝、礼拝があってね。」
5  「そうなんですか。」
3  「でも、イエスが復活したかどうかを問題にするなんて、馬鹿げてるわ。何でそんなことにこだわるのか、わたしは理解できないな。」
5  「わたしは、よくわかりませんけど・・」
1  「では皆さん、そろそろ集まってもらえますか。」
 
◇陪審員室
 
1  「それでは、話し合いを続けましょう。えーと、どこから行きますか。」
5  「議長、採決をお願いします。」
1  「採決ですか。」
5  「ええ。今までいくつか疑問点も出ましたし、皆さんの考えが変わったかも知れません。」
2  「変わんなかったら、あんたどうする?『本当』があんた一人だったら?」
5  「・・わたしも、『復活が嘘』のほうに変えます。」
2  「ようし、その言葉、忘れんなよ。議長、採決だ。」
1  「わかりました。それでは、さっきと同じ要領で投票してください。・・いいですか。じゃ、開票します。」
made by Reiko. N
1  「いいですか。じゃ、開票します。嘘、嘘、嘘、嘘、本当、本当。えー、『嘘』が4票、『本当』が2票です。前回より『本当』が1票増えました。」
2  「1人寝返った!」
3  「2番さん、寝返ったという言い方は不適切です。判断を変えたと言ってください。」
2  「おい3番さん、またあんたかよ。」
3  「わたしじゃありません。」
6  「・・わたしです。」
2  「じいさん!」
1  「えー、最初にも言いました通り、この話し合いは6人全員が一致しないと結論を出せません。2回目の採決でも票が分かれましたので、イエス・キリストが復活したのは本当かどうか、話し合いを続けることにします。よろしいですね。」
 
5  「あの・・皆さん、どうしてイエス・キリストの復活が嘘だって思うのか、理由を聞かせてもらえませんか。」
1  「理由ですか。そうですね。2番さん、どうですか。」
2  「何で俺が最初なんだよ。議長、あんた1番なんだから、先に言えよ。」
1  「・・わたしは、えーと、そうですね、復活が本当だという証拠が何もないからです。」
5  「でも、お墓は実際空だったんですよ。証拠になりませんか。」
1  「いやあ、それだけじゃ、ちょっと弱いような気がして。・・じゃ2番さん、次どうぞ。」
2  「あっ、何だよ、きったねえ。」
5  「2番さんは、どうなんですか。」
2  「あのねえ、死んだ人が生き返るかってえの。最初っからわかりきってるんだよ、そんなの。復活なんて、あり、えま、せん。」
5  「そんな風に最初から決めつけてたら、話し合いをする意味がないじゃないですか。」
2  「だから、そうだって。こんな話し合い、意味ないんだよ。」
5  「ほかの方はどうなんですか。4番さんは。」
4  「わたし? ・・わたしも、本当のわけないなあって。」
5  「だから、どうして。」
4  「どうしてって、だから、えーっと、・・変だから。そう、変じゃない? どうしてこの人ばっかりそう都合よく生き返るの? そんなの変よ。だったら、わたしだって、あなただって、死んだ後生き返る? 人間って、死んだら終わりに決まってるんじゃないの?」
2  「そうだよ。その通りだよ。俺もそう言いたかったんだよ。」
5  「おっしゃることもわかりますけど、常識で判断できないことが起こったかも知れないんですよ。復活が本当じゃないと説明できないこととか、逆に嘘じゃないと説明できないこととか、そういうのを考えませんか。決めつけじゃなくて。」
1  「つまり、死んだら終わりという常識はひとまず横に置いといて、今回の状況での根拠を考えよう、というわけですね。」
5  「そうです。」
3  「あの、復活が嘘でなければ説明できないことがあるんですが。」
1  「3番さん。」
3  「問題の3日目の朝のことを、聖書で調べてみたんです。」
5  「イエス・キリストが復活したと言われる朝のことですね。」
3  「ええ。この出来事は、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの4つの福音書全部に出てきます。つまり、福音書を書いた4人の弟子たちは、全員、同じ出来事を書いていることになります。これらによれば、その朝、女性たちがイエスの死体に油を塗るために墓に向かったが、行ってみると墓は空になっていた。そこに天使が現れて、イエスが復活したと告げた。弟子たちも墓にやってきて、墓が空なのを確かめた。その後イエスは、彼らの前に何度も姿を現して、自分が確かに復活したことを示した。だいたいこんな話になっています。ところが・・」
2,4「ところが?」
3  「4つの福音書の内容は、食い違っている部分があるんです。例えば、墓に行った人数とか、復活したイエスが現れた順番とか。」
2  「ほおー!」
4  「え、どういうこと?」
2  「・・さあ。」
3  「もし復活が本当なら、4つの福音書の内容は一致しているはずです。同じ出来事を書いているんですから。内容が一致していないということは、明らかに、復活が本当ではなかったことを示していると思います。」
2,4「おおー!」
5  「ちょっと待ってください。」
1  「5番さん、反論ですか?」
5  「ええ。福音書を書いた4人は、その出来事を一緒に見ていたんでしょうか。」
3  「それは・・違いますね。その場にいなかった人もいますし。」
5  「だったら、違っていてもおかしくないんじゃないですか。」
2  「何でだよ。」
5  「だって、自分が見たり聞いたりしたことしか書けないじゃないですか。お墓に行った人数だって、入れ違いになったとか、いろいろ可能性があると思うんです。それに、普通の状況じゃないですよ、復活なんて。もしこれが弟子たちの作り話だとしたら、それこそ一致していなくちゃおかしいですよ。だから、一致してないってことは、逆に作り話じゃないってことになりませんか。」
1  「うーん、一理ありますね。3番さん、どうですか。」
3  「・・気がつきませんでした。・・議長、わたし『本当』のほうに変えます。」
2  「おい、おいおいおい、どういうことだよ。そんなに簡単に自分の意見変えるなよ。」
3  「でも、5番さんのほうが説得力ありますから。」
1  「わたしも、今の5番さんの意見、もっともだと思います。わたしも変えます。」
2  「何なんだよ、みんなして。おい4番のねえちゃん、あんたはどうなんだ。」
4  「えー、わたし、難しくって、よくわかんない。みんながそう言うんなら、『本当』のほうに変える。ごめんネ。」
1  「ということは、『嘘』が1票、『本当』が5票ということになりましたね。」
2  「俺は変えねえぞ。誰が何と言おうと、復活なんて『嘘』だ。絶対『嘘』!いいよ、話し合い、お流れにしてもらおうじゃないの。俺はな、これでも大工してんだよ。中学卒業して弟子入りして、今まで建てた家は100やそこらはあるんだ。手抜きなんか1軒もやっちゃいねえ。そりゃ、カンナ荒くたって、柱一本抜いたって、誰にもわからねえよ。だけどそんなことして、「この家、俺が建てました」なんて言えるか? 俺はな、この仕事に命かけてんのよ。俺が建てた家が地震で崩れたら、俺は腹切るね。そのくらいの気持ちで大工やってんのよ。いい加減なことなんて、できねえ性分なんだよ。あんたらみたいにお上品ぶって理屈こねまわして、死んだ人間が生き返るなんて、俺は絶対言わねえからな!」
1  「・・どうしましょう。このまま2番さんが意見を変えないと、お流れということになりますが。」
6  「あの・・.」
1  「6番さん、何か。」
6  「・・ずっと、引っかかってたんだ。何で、キリスト教がこんなに世界中に広まったのか。」
2  「何を言い出すかと思えば。」
5  「弟子たちが、一生懸命イエスの教えを広めたからじゃないですか。『真実の愛の教え』でしたっけ、3番さん。」
3  「ええ。」
6  「いや、さっき休憩時間に、聖書を読み返してみたんだ。師匠を十字架で殺されたのに、弟子たちは実に熱心に教えを広めている。なぜだ?」
1  「ですから、その愛の教えが立派だったから、じゃないんですか。」
6  「・・ところが、弟子たちが伝えているのは、そういうことじゃない。」
5  「えっ?」
3  「どういうことですか。」
6  「弟子たちが伝えているのは、『イエスが復活した』という知らせだ。繰り返し、繰り返し、『イエスが復活した、自分たちはその証人だ』、そう伝えているんだ。十字架のときには、自分が捕まるのを恐れてイエスなど知らないと否定した弟子が、復活の後は変わってしまった。牢屋に入れられても、むち打たれても、イエスの復活を伝えることをやめなかった。」
5  「どうして・・」
6  「本当に見たからだ。」
3  「復活したイエスをですか。」
6  「そうだ。弟子たちは、信じられない出来事を目の当たりにした。イエスが復活した。自分たちの従ってきた師匠は、本当に神の子だった。もう何も怖くない。事実が、彼らを強くしたんだ。」
5  「そうすると、キリスト教が広まったのは、復活を伝えたからだということですか。」
6  「そうだ。弟子たちが伝えたのは、イエスの語った教えじゃない。イエスその人だった。イエスが復活した神の子、本当の救い主だということだっんだ。復活が嘘なら、そんなことを広める理由はない。」
2  「違うね。弟子たちは、自分たちの宗教を守りたかったんだ。復活したって言えば、信者が増えると思ったんだ。」
6  「そうじゃない。復活を伝えるのをやめずに殺された弟子もいる。2番さん、あんた、自分の建てた家に命をかけると言ったな。それで合点が行った。もし柱一本抜いた家だったら、あんた、命かけられるか。心の中にやましいことがあったら、できるはずがない。作り話のために、命なんかかけられるはずがない。イエスの弟子たちは、殺されても復活を伝えるのをやめなかった。あんた、どうしてだと思う?」
2  「それは・・」
皆  「・・」
5  「・・議長、採決をお願いします。」
1  「採決の提案が出ました。異議ありませんか。・・では、採決をします。復活が本当か、嘘か、どちらか書いてください。・・いいですか。6人全員一致なら決着です。では開票します。・・本当。本当。本当。本当。本当。・・」

 

参考
新約聖書(福音書)
シドニー・ルメット監督「十二人の怒れる男」
三谷幸喜作 中原俊監督「十二人の優しい日本人」