画像:YMOトリビュート
・・・出ない。
いや、きばっているわけではない。
ライブのレポートが、1週間、2週間、1ヶ月経っても、どこからも出ないのだ。
どうしてあんなことができたんだろう。
終わって、今どんな気持ちなんだろう。
それを知りたかった。どうしても。
だって、すごく感動したから。
僕の感想は、既報「トリビュート考」に書いた通りだ。
ライブの熱気冷めやらぬ2017年秋口、メンバーの一人と再会したときに聞いてみた。
「あのライブのレポート、音楽雑誌とか、せめてFacebookに出ないんですか」
「いや、特にそういう予定はないですよ」
あれほどのライブをして、何もレポートなし? それはもったいなすぎる。
ライブには数百人の観客がいたが、それはYMOファンのほんの一握りに過ぎないだろう。
遠方だったり、都合がつかず来れなかった人も大勢いるだろう。
このイベント自体を知らなかった人はもっといるだろう。
それに、それに、あれは単なる「ファンイベント」ではなくて、日本の音楽界にとって、と言ったら大げさだが、ある意味、なんというか、記録しておくべき出来事のような気がしたのだ。
あそこで起きていたことは何だったのか。
それを出すべきだと思った。
もし誰もやらないなら・・・
そこでおずおずと切り出した。
「じゃあ、僕が取材して書いてもいいですか」
「構わないと思いますよ」
「じゃあ、あのステージで喋ってた人、紹介してくれません?」
「いいですよ」
こうして「総監督」横田さんを紹介してもらい、お話を伺うことができた。
昨年11月のことだ。
それは確かに、「大人の夢の実現」に至る人生の軌跡だった。
「人生」をテーマにしたこのサイトを立ち上げた2017年の、良い締めくくりの記事にもなると思った。
ところが最後に横田さんが言った。
「ぜひ他のメンバーの話も聞いてみてください」
ええっ・・??
そういうわけで、横田さん他、演奏したメンバー4名にも取材させていただくことになった。
インタビューをいくらかやってきたとはいえ、プロのライターでもない自分にとっては大変チャレンジングな企画であった。
しかも僕は、YMOは確かに好きだが、決してコア、マニア、オタクではない。
だから機材や音のディテールを突っ込むことはできない。
ほんとに、「プロフェット」とか言われても全然知らないのだ。
だから当意即妙なQ&Aなどは到底望めない。
とにかくお話を伺って、モノローグとしてまとめよう。
この人たちが何を考え、どんな経緯でこれを実現したのか。
困難は、ハプニングはなかったのか。(少なくとも本番で、誰にでもわかる大ハプニングがあった)
その人生の一端を綴らせていただこうと思った。
前置きが長くなってしまった。
2017年8月16日、東京キネマ倶楽部で行われたライブ
「YMOトリビュートライブ ~TRANS ATRANTIC TOUR again~」
の参加メンバー5名のお話を、来週から5週にわたって掲載していく。
横田信一郎さん(総監督)
小池実さん(ベース、音楽監督)
山内亜矢子さん(キーボード)
布施雄一郎さん(ドラム)
小林淳一さん(キーボード、主催)
(スペシャルメンバーは含まれていない、もちろん)
画像:YMOトリビュート
ライブ紹介文(オフィシャルページより)
「このイベントはコアなYMOファンが企画しファンの中でも伝説として語り継がれている1979年の欧米ツアーの疑似体験をファンと一緒に楽しみたいという想いから実現するファンイベントである。来年の結成40周年に向け、ファン・イベントを通じYMOの素晴らしい音楽を生演奏で新たな世代に伝えるべく1979年に行った欧米ツアーをテーマに演奏機材、衣装等を忠実に再現し、当時のセットリストから演奏を行う予定。
なお、“YMOトリビュート・バンド”には、ファンからの熱烈な出演オファーを受け1979年の欧米ツアーにサポートメンバーとして参加したギターリストの渡辺香津美氏、シンセサイザー・プログラマーの先駆け的存在である松武秀樹氏が出演を快諾し一夜限りのスペシャルメンバーとして参加する。」
なお、鈴木健.txtさんのブログに、詳細なメンバー紹介やライブ直前インタビューが掲載されている。
「楽譜では再現できないライブ感と“拾いどころ”の共有――YMO Tribute Liveに向けて」 (KEN筆.txt)
(2018-02-18 岡崎道成)
Thank you Good night ! 予告編
横田信一郎さん「MCやってよかったのかな」
小池実さん「目指したのは "いいバンド"」
山内亜矢子さん「ふざけんな、オッサン!」
布施雄一郎さん「ハイハットなしで、どうしようかなぁ」
小林淳一さん 「俺、何のためにやってんだ」
岡崎 「トリビュート考」