まずはこちらを。
何の変哲もない(いや、新しくてきれいですが)、とあるお寺の御堂と、ご本尊です。
それが、こんなことに。
火事か!
いいえ、これはプロジェクションマッピングです。
そう、ビルの外壁とか、お城の壁とかにCG映像を映し出す、アレです。
これは「プロジェクションマッピング法要」です。
法要は、法事や仏事などの仏教行事ですね。
ちなみに、僕はキリスト教徒です。
お寺の行事は、親戚や会社の人のお葬式くらいしか出たことがありません。
お葬式でも、仏様や故人への礼拝行為である焼香は控えます。
お彼岸も、クリスチャンは特に何もありません。
そんな僕ですが、逆に仏教がこの技術をどのように取り入れているのかを見たくて、参加を申し込みました。
ちゃんと「仏教徒ではありませんが見学目的で」と書きました。
お焼香も、事情を話して特別に免除していただきました。
「どうぞお楽しみください」ということで、行って参りました。
・・・参りました。
このプロジェクションマッピング映像、時間は10分くらいでした。
ちゃんとストーリーがあって、平穏に暮らしている人が、業(罪)によって地獄に落ちますが、仏の智慧によって解脱し、極楽浄土に救われる、というものです(間違ってたらすみません)。
あ、写真は法要中ではなく、一通り終わってから、ちゃんと「撮影用の再上映」があって、そこで撮ったものです。
心づかいがニクイねえ。
上の燃えているような場面は「地獄」です。
↑これはお経で業と闘っているところ・・かな。
数名のお坊さんの念仏が聴こえます。
座っているのがご住職です(映像ではなく本物の人です)。
↑これが極楽浄土に行くところです。
いや~、恐れ入りました。
こんな斬新なことを考えてやってしまうお寺とは・・・
東京の荒川区にある、町屋光明寺さんです。
浄土真宗真言派のお寺です。
なんでもご住職が、「お寺に生まれなければエンジニアになっていた」というほど技術肌。
新しいパソコンが出るたびにうずうずしてしまうとか。
開始早々、音が出ないというトラブルにもご住職自ら即対応。
法話、つまりお坊さんのお話は修学旅行のとき京都のお寺で聞いて以来ですが、非常にわかりやすく、六法輪廻や極楽浄土の説明をされていました。
しかもプロジェクターで。Windowsで。
このお寺では、お墓参りも先進的なシステムが導入されていて、もうびっくりです。
これまでの「お寺」のイメージがひっくり返ります。
一方、浄土真宗の「悪人正機」「他力本願」などの教えはとキリスト教の「福音」と似ているとかねてより聞いていましたが、法話を聞いて、なるほど確かに似ていると思いました。
プロジェクションマッピングの使い方を含め、いろいろと刺激を受けてきました。
学んだこと
・仏教のような伝統宗教でも、新しい技術や手法、特にITを取り入れることが可能。そして、それが従来あまり宗教に関心がなかった人たちと接する機会となっている。
・お墓参りに来る人たちのニーズに対して、従来のあり方に捉われずに柔軟に対応しようとしている。
・浄土真宗の教えは、悪人こそ救いを必要としているという「悪人正機」や、自分の努力では救われない「他力本願」など、キリスト教と似ていると言われるが、法話を聞いて、なるほど似ていると改めて思った。
知りたいこと
・この取り組みは、他のお寺など仏教界ではどのように受け止められているのだろうか。これは町屋光明寺だからできることなのか、あるいは浄土真宗だからできることなのか。
・このようなスタイルの法要は「面白い」し、お墓参りのIT化、自動化などは、参拝者からすれば確かに便利で合理的だが、仏教信仰の「あるべき姿」には抵触しないのだろうか。どこを守り、どこは変えていいものなのだろうか。
・「六道輪廻」「極楽浄土」などの教えはどのように成立したのだろうか。
・浄土真宗はキリスト教のことをどのように見ているのだろうか。「似ている」と思っているのだろうか。違いはなんだろうか。
・信仰の違いを超えた人的交流はどこまで可能だろうか。
キリスト教徒として、他の宗教を人に勧めるようなことはもちろんないのですが、僕自身は、他の宗教の信仰や教義にはとても興味があるのです。
そういうのを学ぶのは、自分の信仰をより深く知ることにつながると思っています。
また、同じ人間ですから、互いの信仰や違いを認めつつ、平和的・建設的に対話をすることは可能と思っているのです。
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和栗由美子 (日曜日, 25 3月 2018 11:20)
記事にしてくださり、ありがとうございます!
「知りたいこと」については、全てにおいて【大丈夫】ではあります。
詳しくは、また今度(^o^)/