「ETHIOPIA 伝説の聖櫃」野町和嘉
ネットを見ていて、ある写真展の案内に目が留まりました。
「異境エチオピアー野町和嘉写真展」です。
なぜ目に留まったのかというと、僕はエチオピアにとても興味があるからです。
エチオピアは、アフリカ東部にある国です。
エチオピア正教と呼ばれる独自のキリスト教会が発展しています。
旧約聖書には、「クシュ」という古代名で何度も出てきます。
僕が一番興味を持っているのは、新約聖書の使徒行伝8章に出てくる「エチオピアの宦官」の話です。
この宦官は、イエス・キリストの福音を受け入れた初めての異邦人(ユダヤ人以外の人)なのです。
エチオピアの女王に仕える宦官が、エルサレムに礼拝に行きます。
その帰り道、彼は馬車の上でイザヤ書を取り出して読みます。
しかしそれが何を意味しているのか、彼にはわかりませんでした。
それを聞いた使徒ピリポは、その箇所(イザヤ書53章)から、十字架にかかったイエスのことを話しました。
宦官はその話を聞いて受け入れ、水のある所で馬車を止めて、ピリポから洗礼を受けたのでした。
ーこんな話です。
宦官がエルサレムに行ったのは、公用かな、私用かな。
ユダヤの何かの祭りの時期かな、それとも何もない時期かな。
宦官は神殿の中には入れないはずだけど、どこで礼拝したのかな。
イザヤ書は、国から持参したものかな、エルサレムで手に入れたものかな。
だいたい、何語のイザヤ書なんだろう。
馬車は当然、御者つきの馬車だろうな。
エルサレムからエチオピアまでだと、相当費用がかかるな。
じゃあやっぱり公用かな。
もう次から次へと想像が掻き立てられます。
そんな状態でしたから、「エチオピア」という文字を見るとつい反応してしまいます。
しかも行きやすい新宿だし、無料!
これは行くしかない。
撮影したフォトグラファーの野町さんによるギャラリートークがあったので、それに間に合うように行きました。
数十枚の写真パネルが掛けられていて、どれも非常に興味深い。
伝統的な祭り、聖書の時代を彷彿とさせる暮らしや風景。
ただし「これは特別なエチオピアです」とのこと。
首都アジスアベバなどに行けば、まったく違う都会の風景が見られることでしょう。
それに今ではきっと誰もがスマホを持っている。
でも改めて気づいたのは、僕が高校生だった1984年に起きた飢餓のことです。
あの「バンド・エイド」や「USA・フォー・アフリカ」などのチャリティアルバムが作られたのは、このエチオピアの飢餓のためです。
その時期に撮られた写真もありました。
当時テレビで観た写真の中には、野町さんが撮影したものもあったのでしょうか。
もっとゆっくり見ていたい、資料として持っておきたいと思ったら、ちゃんと写真集がありました。
しかも今月出版されたばかり。
なるほど、写真集の販促展だったかと納得しつつ、即買いしました。
垂涎です。
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