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ノーベル文学賞

カズオ・イシグロ? 日本人?日系人?

どこかで聞いたような、でも思い当たらず。

作品の紹介があって、「わたしを離さないで」とあるのを見て、「ああ、あれか!」と合点しました。

 

以前、綾瀬はるかさん主演の同名ドラマ(TBS)を観ていましたが、その原作者。

なんだか、すごく納得してしまいました。

原作を読んでいないのと、ドラマは原作と結末が違うということなので、本については何も言えないのですが、ドラマは、確かに凄まじいインパクトがありました。

何より、扱っているテーマが非常に深いです。

そしてそれを演じる俳優たちの見事な演技。

脚本も音楽も素晴らしく、恐ろしいほどに質の高いドラマだったと思います。

視聴率はそれほど伸びなかったようですが、シリアス過ぎたのかも知れません。

主人公たちが背負った「運命」をどう切り開いていくのか、逃れるすべはないのか。

毎回見終わったときに迫ってくる切なさ、寂寥とした余韻、深い深い感動。

 

 

最終話、ヒロインが海に入っていったとき、ああ、いいドラマだったのにこんな終わり方なのかと、少し(いや、かなり)残念に思いました。

もう助けに来る人は誰もいないじゃないか・・・

だから、ラストには驚きました。

舞台となった場所、そして小道具に張られた見事な伏線。

本当に意味深い結末で、スタッフの方たちの真摯な思いを感じました。

このドラマは、見た人すべてに「人は何のために生きるのか」という、人にとって最大の、そして根源的な問いを改めて突きつけたのではないかと思います。

これこそ、ドラマというフィクションの真骨頂です。

 

こんなにいろいろ考えさせられたドラマは他に思い出せないほどです。

これだけのものを作らせる力をもった原作はどんな本だろうと「ほしい物リスト」に入れたまま、購入せずにいるうちに今回のノーベル賞。

今買うと「いかにも」な気がして、まだ買っていません・・・