· 

珈琲ことはじめ

珈琲が好きです。

もっぱら、ブラック。

 

小学生高学年のとき、「750(ナナハン)ライダー」という少年チャンピオン連載のマンガが好きだったのですが、主人公の「光(ヒカル)」がいつも喫茶店に入り浸ってコーヒーを飲んでいました。光はバイク乗りですが、いわゆる暴走族とかツッパリではなく、クラスの気になる「委員長」を守ったりするいいヤツです。光が「行ってくる」と言うと、マスターが「気をつけろよ」と送り出す。

マンガのほうは、最初ハードボイルド風だったのがだんだん学園キャラに変わっていきましたが、それはそれとして、恐らくそんな理由で、コーヒーに大人っぽさ、カッコいいイメージを持っていたのでしょう。高校生になるとカフェインレスのインスタントコーヒーを飲み始めました。

高校の最寄りの駅前には、生徒たちがちょくちょく話題にする喫茶店があったのですが、一度も行ったことはありません。小遣いの限られた僕には、喫茶店などまだ高根の花でした(その頃は学校脇にあった(今はない)ロイヤルホストで何時間も粘るのがせいぜい)。

学生のときも日常はインスタント。外ではランチについてくるコーヒー。

今のように気軽に行ける「カフェ」はまだなかったと思います。

 

潮目が変わったのは、結婚祝いに友人からコーヒーミルをもらったこと。

カリタのダイヤミル。アンティークな雰囲気の名器です。

なぜ友人がこんな高級品をくれたのか、僕が豆を挽くのに憧れているとか言っていたのか、よくわかりません。

とにかく、ずっしりと重いです。友人はこれを手持ちで結婚式に参列してくれました。

本当に嬉しかったです。

こうなると、挽かないわけにはいきません。

ダイヤミルが鎮座まします新婚家庭で、毎朝のコーヒー改め珈琲を挽くことが、僕の日課となったのでした。

 

2017-10-09